FXテクニカル指標のボリンジャーバンドとはジョン・ボリンジャー氏によって開発されたもので統計学の標準偏差と正規分布の考え方に基づいてつくられた指標です。
標準偏差というのは大学受験の偏差値でお馴染みですが、標準偏差はある期間の為替価格が平均値からどれだけ離れて分布しているのかを求めた値ということになります。
確率論でいいますと、この標準偏差で±1σに収まる確率は68.26%となり、さらに±2σの中に納まる確率は95.44%ということになり、±3σの中に納まる確率は99.73%と、ほとんどこの偏差値に納まることになります。
したがって、中心線からかけ離れて上下してもかならず±3σの中で戻ってくる可能性が極めて高いことを示しているのがこのバンドの特徴です。
ボリンジャーバンドの見方
ボリンジャーバンドの見方とは現在の為替レートがこのボリンジャーバンドに対してどの位置にあるかをチェックしていくことです。
ボリンジャーバンドが広がっているときには大きく変動する可能性がありますが、狭まってしまっているときにはあまり大きな変動にはならないといったこともこのバンドの形状から推測することができます。
ボリンジャーバンドは為替相場の突発性の値動きを把握するのに適しています。
ボリンジャーバンドの売買ポイント
実際にFX投資に利用していく中で、ボリンジャーバンドの売買ポイントとしては、まず逆張りに使うのであれば、ボリンジャーバンドがプラス2σないし3σまで達していればかなりの確率で為替相場が戻る(下がる)可能性が高くなりますので、売りから参入するポイントとなります。
逆にボリンジャーバンドがマイナス2σや3σまで下がっているときには、為替相場が戻る(上がる)ことが考えられるため買いで参入するポイントとなってくるのです。
ボリンジャーバンドが急激に広がりはじめて為替が上昇しはじめるときには「バンドウォーク」という言い方をしますがレンジ相場を上抜けして大きく上昇していくタイミングになります。
また逆にボリンジャーバンドの幅を広げながら価格が下落していくことになればバンドウォークで価格が大きく下落していくことになる可能性が高まることから順張りで売りのタイミングになります。
このようにボリンジャーバンドの形状、中心線が上を向いているか下を向いているか、さらに1σ,2σ,3σのどのレベルに為替相場がさしかかっているかをチェックすることでその先にどのような為替変動の動きになる可能性があるかをかなりの確率で見極めていくことができるため、このテクニカルチャートは非常に人気のあるものとなっています。
ボリンジャーバンドの注意点
ボリンジャーバンドが既存のレンジ相場を越えて大きく上昇したり下落したりする場合には、±3σを超えて大きく動いていくこともありますので、そうした兆候をきちんと読み取っていくことが極めて重要ということになります。
このボリンジャーバンドというテクニカル指標はあくまで確率論に基づいていますので100%という信頼性はありませんが、かなりの確率での動きといったものは予想することができて大変便利なものとなっているのです。