FXチャートのエンベロープとは、移動平均線を一定の割合で上下に乖離させたテクニカル指標のことをいいます。
FXチャートでのエンベロープの見方は上下バンドの反転を目安にしていく今後の為替の値幅予測ということになり、これがエンベロープ設定のメリットということがいえます。
他にも様々なテクニカル指標がございますが、ここではFXチャート分析で重要なエンベロープについて考えていきます。
均線とエンベロープ
チャートでの移動平均線とエンベロープの関係でいいますと、上に乖離させたバンドに為替の価格が到達すれば、その地点が売りサインということになります。
逆に下に乖離させたバンドに価格が到達しますとその地点が買いサインということになります。
この買いサインは移動平均線から相場の価格がある程度乖離した後は移動平均線へ回帰するという考え方がベースになっているもので、乖離幅をあまりにも小さくしすぎてしまいますと反転の目安としては使えなくなりますので各通貨ペアの実情にあわせた形での乖離幅を設定することが非常に重要になります。
このエンベロープ指標はいわゆるトレンド追随型のテクニカル指標ということになります。
FX取引での売買判断の考え方という意味ではトレンドが上昇しているという判断で購入することから、ある意味でオシレータ系の考え方でFX取引をおこなうことも可能となるのです。
逆に相場が3%を超えて推移していく場合には強いトレンドがでていると考えて、順張りに利用していくことも可能となります。
エンベロープ設定のメリット
通常相場に強いトレンドが発生していない場合にはたいがい1%と3%のラインでサポート&レジスタンスが働くことになりますので、それを確認して取引をするといったことがエンベロープ設定のメリットとしてあげられることになります。
エンベロープの設定にあたっては、通貨ペアの動きや使用する通貨ペアの時間足にあわせてあげる必要がありますが、乖離率をマッチングさせることができるようになりますと信頼性はかなり向上することが確認されています。
一般的には為替レートはこのエンベロープを突き抜けにくいとされていますので、万一大幅に突き抜けることがあるということは、その分大胆な相場変動が起こることを示唆しているということもできます。
したがってこのエンベロープ指標を見ているとそうしたトレンドをいち早く見抜くことができる可能性が高くなるといえます。
ただしエンベロープのベースは移動平均線になりますので、チャートでの判断材料が、短期か中期か長期かによっても精度が変わってきますし、テクニカル指標ですからとにかく万能で常に盲目的に信用するという性格のものでもないことだけはあらかじめ用心して利用していくことが重要となります。
為替相場で大きな動きが感じられるときには他のテクニカル指標も確認した上で売買を決定させていくことが重要です。
またダマシにあったときのためにFX取引においてはしっかりストップロスを入れて利用していくといったことも肝要です。