FXチャートのダマシとは、チャート上では明らかに一定の動きが予想されると思って買いや売りを仕掛けたのにもかかわらず、為替相場が実際には予想したとおりの動きにならないことをいいます。
為替相場を分析していきますと、ローソク足や移動平均線、ボリンジャーバンド、一目均衡表など様々なテクニカル指標が利用されることになりますが、ダマシはどうして起こるのかというと、こうした指標は過去の価格から分析している結果を表示しているため、大きく相場が動くときには過去のデータだけでは分析しきれないような結果が生じてしまうことがあるからなのです。
ダマシはどうして起こるのか
FXでのだましの例としては、ゴールデンクロスと呼ばれる短期線が長期線を下から上へと突き抜けた場合には通常買いのサインとして広く人々に知られていますが、実際にはそのまま上がらずに下がってきてしまったといったことが起きるという場合があります。
つまり実際の市場の動きのほうがより巧みに経過していくことになると、一瞬買いのようにみえても実はそうではなかったといったことがよく起きるのです。
昨年の12月の月末にもリバランスの絡みでロンドン為替市場でユーロ/ドルが急騰したことがあり、とうとう流れが変わって、相場がそのまま上昇するかのように見えたのですが、実は本当に月末の特別な需要が発生しただけでその後大きく値を下げてかなりの投資家がダマシにひっかかるといったことが実際に発生しています。
毎日チャートを見ているFXのプロであってもこうしたダマシを見抜く方法はなかなかないのが現状となっているのです。
ダマシを見抜く方法
FX取引において、ダマシに引っかからないためには、1種類のテクニカル指標だけで判断しないで、2つ以上のテクニカル指標を比較検討して判断するというのが一つの回避方法になります。
また、複数の時間足で為替市場の動きを十分にチェックしてみるといおうこともダマシを見抜く方法として重要です。
すなわち時間足、日足といった時間が長くなれば長くなるほどダマシは現れにくくなるといわれていますので、直近の五分足や十五分足程度だけを見るだけではなく、ある程度時間足を変えてチェックしていくことがひとつの対策となってくるのです。
さらにクロス円のような通貨の場合、複数の通貨ペアに影響を受けていることがありますので、元の通貨の状況も一緒に見ておくことが必要になります。
たとえばユーロ/円の場合ですとUSドル/円と、ユーロ/USドルのどちらにも影響を受けることになりますが、円が主導で動きが出ている場合、USドル/円とユーロ/円はかなりシンクロした動きになりますし、ユーロ主体で動いている場合にはユーロ/USドルと似た動きをすることもあるため、元になっている通貨ペアの動きを見極めることもこうしたダマシに安易にひっかからないためには重要となってくるのです。
いずれにしてもFX取引でダマシを見抜くためには細心の注意が必要となるわけです。