FXでのサイコロジカルラインとは、為替相場は永久に上がり続けるわけではないし、下がりつづけるわけでもないという投資家心理に基づいて開発されたテクニカル指標であり、いわゆるオシレーター系のひとつとして買われすぎや売られすぎを判断するために利用するFXチャートとして有名なものです。
サイコロジカルラインは感情などが市場変動の影響を与えるというロジックから生み出されました。
サイコロジカルラインの使用法
サイコロジカルラインの計算式としては直近の12日間なら12日間の中で終値が前日比プラスとなっている日数を数え、その比率を計算することになります。
たとえばこの12日間でプラスの日数が8日あれば数値は66.6%ということになりますが、75%以上相場が上昇している場合、つまり12日で考えたときに9日以上上昇している場合には、次の日には下がる可能性が高くなるとみていいことになります。
逆に12日のうち3日以下だけしか上昇していない場合は25%以下になりますから次の日は上がる可能性があると予想することができるのです。
このような想定数値の使い方がサイコロジカルラインの使用法ということになります。
サイコロジカルラインの応用法
サイコロジカルラインは一般的に12日で考えるのが多いのですが、もう少し長く期間を設定して利用していくという方法もあります。
この場合でのサイコロジカルラインの応用法としては、75%になったらすぐ売りにするのではなく、75%以上になって、そこから75%を上から下に抜けたら売りにするとか、逆に25%以下になって25%を下から上に抜けたら買いといった活用法にしていくと、さらに精度を高めていくことができます。
また補足ですが、1分や5分といった短い足ではなく1時間足や4時間足で計算していくとさらに精度があがることが確認されています。
サイコロジカルラインの注意点
ただしこのサイコロジカルラインのようなオシレーター系の指標というのは大きく市場が動いてしまったときには天井や底に張り付いてしまい使い物にならなくなる瞬間があることがままありますので、十分に気をつけることが必要となります。
たとえば経済指標の発表でセンチメントが一気に変わってしまった場合や、要人発言で流れが大きく変化した場合、さらに地政学的なリスクで戦争やその他の突発的事象が起こり、いきなりリスクオフに市場が転換してしまった場合というのは、それこそ落ち着くまでにかなりの時間を必要とすることになりますので、サイコロジカルラインを活用する場合は、基本的にレンジに近い相場状況で逆張り的に利用するのが好ましいといえます。
オシレーター系のテクニカル指標はほぼ似たような性格を持っていますので、別のトレンド系などのテクニカル指標も並行して見比べながら、機能する時間とそうでない時間をしっかりと把握していくことが「うまい使い方」です。
すべてのテクニカル指標は万能ではありませんから、利用できる最良のタイミングをうまく活用してあげることが重要といいえるのです。