FXテクニカル分析のモメンタムとは、為替相場の勢い(相場の強弱)や、相場の反転の目安となる水準を見ることが出来る指標です。
モメンタムには逆行現象があり、逆行現象とは為替相場は上昇(下降)しているのにモメンタムはその逆で下降(上昇)している状態をいいます。
モメンタムは基本的に為替相場に先行して動くという特徴があり、相場がピーク(ボトム)をつける前にモメンタムがピーク(ボトム)をつけ、それが相場でのトレンドの反転・終息のサインとなります。
モメンタムの計算方法は次のようになっています。
モメンタム=当日の終値-N日前の終値(N日:9~14日)
モメンタムとROC
一般的にテクニカル指標として、モメンタムとROCは大きな関係があります。
ROC指標は基本的にモメンタム系テクニカル指標となっています。
為替相場には2つ種類があり、それは「トレンド相場」と「持ち合い相場」というものです。
トレンド相場の状態では、移動平均線などのテクニカル指標が役に立ちます。
しかし逆に持ち合い相場の状態では、指標サインが遅れることも少なくありません。
モメンタム系テクニカル指標は、トレンド相場の時には間違ったサインを出すことがあります。
しかし持ち合い相場になった際にはその力を発揮してくれるのです。
為替相場において、ROCは一定の時間の変化率を表すためのテクニカル指標となっています。
すなわちモメンタムを比率にしたものとなっています。
ROC計算方法は次のようになっています。
ROC=当日終値÷何日前の終値×100
となっています。
従ってこの計算方法で平均線などと一緒に使って利用すると効果的です。
この同時活用方法は移動平均シグナルに従おうとする前に、他の確認シグナルとして利用する人が多いようです。
モメンタムからチャートの読み方
モメンタムからFXチャートの読み方については次のようになっています。
ROCには基本的には0ラインというものがあります。
この0ラインとはROCの強さや弱さの分岐点が真ん中にある状態を0ラインとしてみるといいです。
しかし計算方法によっては100%が分岐点になることもあるので注意します。
そして0ラインが分岐点となっているので、その0ラインを上回った場合には上昇していると予測して、0ラインの下回った場合には下落していると予想するようにします。
この他には「シャンデモメンタムオシレーター」というものがあります。
ここでは基本的にはテクニカル指標のRSIと同じような見方をします。
すなわち50を超えていれば買いすぎで、-50を下回っていれば売られすぎと判断します。
CMOの値が100に近いほど上昇トレンドが強くなっています。
逆に-100に近いほど下降トレンドが強いというようになっています。
市場において一定の期間の変動幅の中で、上昇幅の合計が下降幅の合計を上回った分が上昇圧力で、下回った分が下降圧力と判断しています。
最近ではモメンタムはシャンデモメンタムオシレーターと9日間単純移動平均線を組み合わせて表示させることによって、買い時期と売り時期のタイミングを計る方法も登場しています。
モメンタムやROCは他のテクニカル指標と比較してみると、敏感に反応することができるオシレーターとなっています。
しかしその分欠点があり、ダマシに弱いという傾向もあるようです。
このようにFXにはたくさんの手法があるので、その一つ一つをしっかりと理解して頭に入れておくことが大切です。そうすることで自分にあった賢い取引をすることができます。