近年、様々なメディアで取り上げられることが多くなり、投資に興味のない方にまでその名を知られつつあるFXですが、FXの人気の秘密は、他の投資方法の良い部分を集めたような、非常に魅力のある投資方法であることが挙げられます。
例えば、FXではレバレッジを掛けて少ない証拠金で大きなリターンを狙うことが可能な上に、通貨ペアによってはスワップポイントが入ってくるなど、株式取引でいえば、信用取引と現物取引の良いところを合わせ持ったような特徴を持っています。
更に、FXは少ない取引単位でおこなうことが可能になってきたため、ミニ株の良い点も併せ持っているといえます。
しかも、他の金融商品、例えばミニ株では指値注文が不可能となっていますが、FXではそのようなこともありません。
このように、数々の長所を持っているFXですが、利益を上げるには2種類の方法があります。
FXでのインカムゲインとは
ひとつ目が「インカムゲイン」と呼ばれるものです。
インカムゲイン「income gain」とは、資産運用をおこなう場合、ある資産(金融商品商品など)を保有することで安定的、さらに継続的に受け取ることのできる利益のことをいいます。
銀行預金や利付債券の受取利息、投資信託の収益分配金がそれに該当します。不動産投資の場合は家賃収入です。株式投資の場合は株主が企業から受け取る配当金がインカムゲインとなります。インカムゲインには金融機関に資本を預けた際の預金の金利なども含まれます。
FXでのインカムゲインは、基本的に前述のスワップポイントにあたります。
FXでのインカムゲインであるスワップポイントは銀行預金の金利と似た性質を持っています。ただし、通貨ペアの金利差がこのスワップポイントとなるため、場合によってはマイナスになることもあります。
FXでのキャピタルゲインとは
ふたつ目は「キャピタルゲイン」です。
キャピタルゲイン(capital gain)とは、保有していた資金・資産の価値が変動することによって得られる収益のことを指します。
例えば、株式や債券などの購入した投資対象が、値上がりすることによって得ることのできる利益(空売りの場合は、値下がりすることによる利益)のことを指します。
キャピタルゲインにはマイナス収益になる場合、「キャピタルロス」と呼ばれます。ただし、インカムゲインは安定的・継続的な利益であるため、インカムロスという言葉はありません。
FXでのキャピタルゲインは、購入した通貨のレートが上がることによって得ることができる利益(空売りの場合は、通貨のレートが下がることによる利益)のことを指します。
FXは2つの通貨間の価値の変動を利用して、その通貨を売買することにより利益を得ようとする金融取引であるため、スワップポイント以外のFXでの収益方法はキャピタルゲインが主流となります。
「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の違い
投資に馴染みのない方は、このふたつの収益性にどの程度の違いがあるか分かりにくいかもしれません。しかし両者の収益性は、天と地ほどの差が生じてしまいます。
例を挙げると、年利5%の通貨と年利1%の通貨ペアがあるとして、前者を購入したポジションを保有していると、その差である4%が、インカムゲインであるスワップポイントとして得ることができます。
分かり易くレートが100円だった場合で考えてみると、10,000通貨を購入した場合、100円に10,000通貨を掛けて100万円分の通貨を保有していることになります。
これに対する年利4%のスワップポイントを得ることができますので、一年間保有すれば40,000円の利益となります。
一方、FXでのキャピタルゲインでは、前述の例で表すと、レートが100円から101円になった場合、10,000円の利益となります。
これではスワップポイントの方が儲かるではないかと思うかもしれませんが、1円程度の値動きは、為替に影響のあるニュースや指標が報じられれば、1日足らずで発生することも多々あります。
このようにキャピタルゲインは、FXにおいて効率よく利益を上げるためには欠かせない要素となっています。