FXにおけるロスカットの重要性について説明します。
はじめにFXについてですが、FXとは異なる2国間の通貨の売買取引のことであり、簡単に説明をすれば安い時にある通貨を買って、その通貨を高い時に売れば、その差額を収入として得ることができるというものです。
FXでは外貨を上手に売買すれば大金を手に入れることができますし、購入した通貨の価値が急落したりすると大損をしてしまいます。一攫千金も夢ではありませんが、FX取引をおこなっている方の中には破産するほどの損失を出してしまう人もいます。
FXでリスクを回避するために重要になるのが「ロスカット」です。
FXは証券会社などの業者に証拠金としてある程度のお金を預けることで、外国通貨の取引をさせてもらうというシステムです。FX取引により損失が出れば、当然ですがご自身が預けている証拠金が減っていきます。
証拠金が0円になってしまえば取引はできなくなり、著しくマイナスになれば証拠金だけでなく資産も全て失う可能性があります。
FX業者にしてみれば、証拠金を預けて取引をおこなう人は顧客に当たります。
顧客がFX業者に預けている証拠金がなくなれば顧客が取引をおこなえなくなる、つまり顧客を失ってしまうわけですから、FX業者はなんとか証拠金が0円にならないようにと工夫をします。
そこでおこなわれるのがロスカットです。
ロスカットとは、相場の変動により証拠金が減っていくと、それが0円になってしまう前にFX業者がFX取引を強制的にストップさせることです。
すなわちロスカットとはいわゆる損益が大きくならないよう売り注文を出す(損切り注文をする)ことです。
FX業者ごとのロスカット
「ロスカットルール」はFX業者によって設定は異なりますが、ロスカットルールとは基本的に顧客が保有しているポジションで一定の水準以上の損益を出した場合、損益が増加しないように強制的に保有している全ポジションを決済するルールのことです。
いつストップさせるかはFX業者によって異なるのですが、一般的に顧客がFX業者に預けている証拠金が残り30%以下になるとおこなわれることが多いです。
またFX業者によっては自身で「ロスカットレベル」を設定することも可能です。
この段階に至る前に、たとえば証拠金が50%くらいになると予測された時点で、「マージンコール」というロスカットの予告をおこなうFX業者もあります。
マージンコールにより取引を中止する、あるいはロスカットにより強制的に取引をストップされることにより、FX取引による証拠金が0円になってしまう可能性は格段に減ります。するとFX業者は客を失わずにすみますし、客は破産するほどの損失を出さずにすみます。
ロスカットが間に合わないことも
FXでロスカットの重要性は非常に高く、これがあるがゆえに安心して売買をおこなうことができるのだと言えます。
FXをおこなっている人は世界中に大勢いますが、それはロスカットという一種の保険があるからだと言っても過言ではありません。ただし、ロスカットがあるからと言って破産する可能性がなくなるわけではありません。為替相場の変動が激しすぎてロスカットが間に合わず、一気に証拠金が底をついてしまう可能性も、なくはないのです。
ですからロスカットがあることに甘えず、常に為替相場の変動に注意しながらFX取引をすることが肝心です。
取引中にマージンコールが発生した場合は、すみやかに対処して損失がそれ以上大きくならないようにしましょう。
ロスカットはFX取引における安心材料ではありますが、あくまで損失を大きくしないためのものです。損失が全く出ないように取引をおこなうのが、FXでの究極の理想なのです。