個人の資産運用において、小額からでも取引ができるため、社会人だけではなく主婦やアルバイトをしている学生にも人気があるFXですが、はじめる際には口座選びが重要となっております。
そのFX口座選びの際にチェックをしておきたいことが信託保全(信託分離管理)です。
FXでの取引において信託保全を知らずに資金をFX業者に預け入れることはかなり危険な行為です。
FXにおける信託保全(信託分離管理)とは、FX業者の財産と、一般投資家である顧客から預かった証拠金などの資金を別々に管理をすることをいいます。
もし、信託保全が導入されていないと、取引をしているFX業者が経営破綻した際に、預けた資産が水の泡となってしまうリスクがあります。
信託保全がおこなわれていると、FX業者に預けた資金は信託銀行へ預けられます。
そして、信託銀行に預け入れたお金は信託管理人によって監視されます。
そうすることで、万が一の場合でもFX業者の財産と顧客が預けた資金はきちんと別で管理しているために、顧客の資金は保証されるというわけです。
信託保全(信託分離管理)の種類
一言で信託保全といっても、「全額信託保全」か「一部信託保全」であるかによっても大きく意味が異なります。
全額信託保全であると、FX口座に預けた証拠金全額が信託保全の対象となります。
それに対し、一部信託保全ではFX業者のカバー取引先金融機関に担保金を差し入れた後の残高を信託保全します。
万が一、証拠金を預けたFX業者が倒産した場合に安心なのは全額信託保全となります。
信託保全(信託分離管理)のチェック項目
FXでの信託保全に関してはこれだけではなく、まだチェックをしておいた方が良いことがあります。
それは、FX取引中での信託残高の確認や更新のタイミングです。
FXで取引をしていると、ファンダメンタルズなどの指標や投資家の動向によって、常に為替相場は変動しておりますので、それに合わせて証拠金も変動します。
FX業者での信託残高のチェックの間隔が短いほど、倒産した場合の顧客の資産の安全性が高まります。
また、証拠金のみか、保有ポジションの含み損益やスワップ金利を考慮しているかどうかでも大きな差がありますし、運用スタイルによっても大きな差があります。
いずれにしても、これからFX口座選びをはじめる場合にはこれからチェックすれば良い話ですが、特定のFX業者にFX用の口座を開設し、既にFX取引をおこなっている方で、これまで信託保全についてまったく考慮していなかった人は一度チェックをしてください。
これまでFX口座選びの際のチェックポイントとしては、あまり信託保全は注目されておらず、スプレッド幅や通貨ペアの種類などばかりに目が向けられていましたので、そうした信託保全のリスクを考えていなかった方も多数いらっしゃる可能性があります。
信託保全の注意点
なお、FX取引における信託保全とは元本を保証するものではないので注意してください。あくまで区分管理による顧客の資金の保全が目的であり、FX取引によって生じる損益に関しては自己責任となります。
そのために、FX取引などの資産運用によって生じる損益の管理は自分でしっかりとおこなう必要があります。