為替レート(Exchange Rate)とは外国為替の取引における異なる2国間の通貨の交換比率を指します。
通貨交換取引の際、2つの異なる通貨を交換するするのに「売り手」「買い手」両方が納得した交換比率で取引することになります。この交換比率がいわゆる為替レートです。
この為替レートはFXをおこなう上で最重要な数字になります。
よくテレビなどで、「現在の外国為替市場は1ドル100円~100円50銭で取引されています」という様にアナウンスされますが、この場合、100円は売値(ビットレート)、100円50銭は買値(アスクレート)ということになります。この売値と買値の差を「スプレッド」といいます。1ドルを100円で売ることができ、100円50銭で買うことができるということです。
通常テレビなどで報道される為替レートは「インターバンク取引」の為替相場をいいます。これはその国の中央銀行や大手金融機関が取引している相場価格になります。これに対して個人が外貨預金をするといった場合の「対顧客取引」の為替相場は小売り段階のもので通常、インターバンク取引の為替レートとは違います。
FXにおける為替レートとはもっとも重要な数字になります。
為替レートはどうして変動するのか?
外国為替市場が変動制に移行してから、為替レートは刻々と変動するようになりました。
外国為替は取引により変動します。これはすなわち、売り手と買い手との合意により需要と供給のバランスで取引が成立するからです。外国為替(通貨)の需要と供給のバランスはその通貨の価値で決まります。相対的な通貨の価値により、為替レートが変動します。これが変動制為替相場です。
為替レートが変動する主な理由:
経済指標
各国のGDP(国内総生産)の伸び率、インフレーション率、失業率、財政収支、経常収支、貿易額の黒字・赤字、消費者物価指数など様々なものがあります。景気動向や国際収支も影響します。
これら経済指標のことを経済の基礎要因「ファンダメンタルズ」とよぶこともあります。
これらファンダメンタルズは外国為替市場における為替相場変動のもっとも大きな要因です。
金利
基本的に政策金利が高金利の通貨の国は景気が上向いていると考えられ為替レートが上がりやすいといわれ、低金利の通貨の国は景気が下がっていると判断される場合が多く、通貨の評価が下がる傾向にあります。
投機的要因
大きな資本を投入して短期的に利益を得る取引を繰り返すのがヘッジファンドをはじめ、投資家グループです。投資金額が大きいため短期的な為替相場では変動の要因の一因になります。
テクニカル要因
投資家たちが過去のデータを基に為替相場を予想し、行動することで結果に表れてくる要因です。
豊富な資金を持つ投資家やヘッジファンドは、精度の高いチャートやグラフを分析することで将来の為替相場を予想しています。また、コンピュータの普及によりコンピュータシステムにより自動でトレードする方もいます。このようなテクニカルな要因が為替相場に大きな影響を及ぼします。
政治・地政学リスク
突発的なテロ、戦争などの政情不安により投資活動に影響を及ぼすことがあります。
為替介入
それぞれの国で為替レートの急激な変動を抑制する目的で為替介入をおこなうことがあります。複数の国が共同で行う協調介入により大きく為替レートが変動する場合もあります。
為替レートとFX
為替レートを理解し、予測することはFXにおいて最も重要です。
FXとは外国為替市場で為替レートに従って通貨を取引し、その為替差益・為替差損により利益を得ることが目的です。利益を得るためには為替相場を理解し、国際情勢や経済指標、国間の連携状況などを元に刻々と変動する将来の為替レート予想し、特定の通貨を買い(売り)、その通貨を売る(買う)ことが必要です。
為替レートを予測するためには様々な経済指標の情報収集、政治状況、その国の政策など有効なデータだけではなく、経験則からくる為替変動を読み解く力も必要になります。
経済指標の発表などは各国どの時期に出すかなどは決まっていますし、事前にアナウンスされる場合がほとんどですので、これらの発表に前後してトレードされる方も多いです。
さらに予測不可能な突発的な為替レート変動もあります。これは資本力のある投資家やヘッジファンドなどが一斉に取引することにより発生する場合があります。
FXはこのようにさまざまな要因で刻々と変動する為替レートを予測し、短期・長期での取引を経て為替利益を得ることで利益を得ていきます。FXでは通貨を「買い」から始めるだけではなく、「売り」からも始められますので、為替レート変動で通貨価値が上昇するときだけではなく、下降する場合でも利益を得られます。さらに「レバレッジ」「スワップポイント」などを活用し、さらに大きな利益を生むことも可能です。ただし、当然リスクはありますので、FX会社選びは慎重におこないましょう。